Monologue

ヒ・ト・リ・ゴ・ト

外の事がわからない “中” の人。中の事がわからない “外” の人。

今週のお題「外のことがわからない」

母の入所する介護施設で、コロナウィルス感染予防により禁止されていた面会が可能となり、先週70日振りに会うことができた。

母に会って、「私の事解る?」と聞いた時、何回目かでわずかに首をコクンと振ったが、名前を聞くと首を傾げた。

母の表情からは、私が娘であることを認知しているのかどうか読み取れなかったが、解ってくれていたと思いたい。帰る時に、手を振った私に応えて手を振ってくれたが、果たしてそれは私だから、だったのだろうか?

母の中では、コロナや外部の人との70日の空白期間なんて関係ないのだ。コロナに関わらず、今世の中で何が起きているのか、今の季節が何なのか、外からやって来る人が誰なのか、母には解らない。

それと同時に、少なくとも70日間、私にも母の様子や施設の状況は全く分らなかった。いや、面会できるようになっても、一日24時間の内のわずか10~20分ほどの滞在では、外の私には中に居る母の事など、殆ど分からないままなのだ。